私はこれまで、歯医者という場所が苦手で、小さな違和感があっても見て見ぬふりをして過ごしてきました。しかし、ある日の夜、その報いを受けるかのような出来事が起きました。日中は少し奥歯に違和感がある程度だったのですが、仕事を終えて寝ようとベッドに横になった瞬間、それまで経験したことのないような鋭い痛みが右下の奥歯を襲ったのです。ドクドクと心臓の鼓動に合わせて波打つような痛みで、横向きになっても仰向けになっても痛みは引くどころか、ますます強くなっていくばかりでした。あまりの痛さに布団の中でのたうち回り、結局その夜は一睡もすることができませんでした。夜中にネットで調べると、横になると血流が頭に集まって歯の内圧が上がるという記事を見つけ、藁にもすがる思いで枕を高くして座るような格好で朝を待ちました。冷たいタオルで頬を冷やすと少しだけマシになった気がしましたが、数分経つとまた激痛がぶり返し、時計の針が進むのがこれほど遅く感じたことはありませんでした。翌朝、一番に歯科医院へ電話をして、泣きつくような思いで診察をお願いしました。レントゲンを撮ってもらった結果、数年前に治療した被せ物の下で大きな虫歯が進行しており、神経がパンパンに腫れている状態だと言われました。先生からは、もっと早く来ていれば神経を残せたかもしれないけれど、ここまで症状が出ていると抜髄という処置が必要だと説明されました。麻酔をしてもらい、治療が始まると、あれほど苦しめられた痛みが嘘のように消えていき、安堵感で涙が出そうになりました。治療後に先生から「歯の神経は一度炎症を起こすと、夜間に横になった時の血圧の変化に耐えられなくなるんですよ」と教えてもらい、自分の不摂生を深く反省しました。この経験をしてから、私はどんなに忙しくても3ヶ月に1回の定期検診を欠かさないようになりました。あの夜の、暗闇の中で激痛に耐え続けた孤独な時間は、二度と繰り返したくないからです。もし今、夜に歯が痛くてこの記事を読んでいる方がいるなら、迷わず明日の朝一番に歯医者に行ってください。我慢しても良くなることは決してありませんし、専門家の手にかかれば必ずその苦しみから解放してくれます。自分の歯を大切にすることが、どれほど生活の質を左右するかを痛感した一夜でした。