それは休日の朝に何気なく大きなあくびをした瞬間のことでした。耳の付け根あたりでバキッという鈍い音が響くと同時に口が完全に開いたまま固まってしまい上下の歯を合わせることができなくなりました。最初は一時的な痙攣か何かだと思い軽く顎を動かそうとしましたが激痛が走り1ミリも動かすことができません。鏡を見ると下顎が不自然に前に突き出ており顔の形が歪んでしまっていることに恐怖を感じました。家族もパニックになりネットで顎が外れた時に自分で治す方法を検索してくれましたがそこには恐ろしい言葉が並んでいました。親指を奥歯に乗せて下に強く押すという解説を読み藁をも掴む思いで試してみましたが自分の指を噛んでしまいそうになるほどの強い力で顎が引き上げられており素人の力では到底太刀打ちできないことを悟りました。痛みとヨダレが止まらない状況で15分ほど格闘しましたが症状は悪化する一方でついには耳の奥まで痛み出しました。結局近くの休日診療を行っている歯科医院に電話をかけ事情を話すとすぐに来るように言われました。車での移動中も振動が顎に響きタオルを噛むこともできないため顔を隠しながら待合室で過ごす時間は地獄のようでした。診察室に入ると先生は私の顔を一目見てすぐに顎関節脱臼だと判断しました。先生は私の口の中に手を入れると独特の手技でグイッと顎を押し下げ次の瞬間にはカクンという衝撃と共に口が閉じられるようになりました。あの瞬間の解放感は今でも忘れられません。先生からは自分で無理に治そうとして靭帯を伸ばしてしまった可能性があると指摘されその後1週間は安静にするように言い渡されました。この体験から学んだのはネットの情報を鵜呑みにして無理な自己処置をしてはいけないということです。顎が外れたという異常事態に対し自分で治すという選択はあまりにもリスクが高すぎました。もしあの時もっと強く押していたら骨や関節に修復不可能なダメージを与えていたかもしれません。現在でも大きく口を開ける時には不安がよぎりますが医師から教わった顎の筋肉をほぐすストレッチを毎日欠かさず行っています。突然のトラブルに備えて救急で対応してくれる口腔外科の連絡先をメモしておくことの重要性を痛感した出来事でした。同じような状況に陥った方がいれば迷わず専門家を頼ることを強くお勧めします。
突然顎が外れた私の恐怖体験と自力での試行錯誤