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しつこい咳、何科へ?大人の百日咳の診断と検査
2週間以上続く、頑固な咳。市販の風邪薬も効かず、夜も眠れない。もしかしたら、これはただの風邪ではないかもしれない。そう感じた時、一体どの診療科を受診すればよいのでしょうか。大人の百日咳が疑われる場合に、最も適切な相談先は「呼吸器内科」です。呼吸器内科は、肺や気管支といった呼吸器系の病気を専門とする科であり、長引く咳の鑑別診断におけるエキスパートです。もちろん、かかりつけの「内科」でも初期対応は可能ですが、より専門的な検査や診断が必要になる場合が多いため、最初から呼吸器内科を受診するのがスムーズです。病院では、まず詳細な問診が行われます。いつから咳が始まったか、咳の性質(乾いた咳か、痰が絡むか)、咳き込みのパターン(夜間に多い、一度出ると止まらないなど)、周囲に同じような症状の人がいないか、そして、乳幼児との接触機会の有無などが、診断の重要な手がかりとなります。正直に、そして詳しく伝えることが大切です。次に、百日咳菌の存在を証明するための検査が行われます。検査法は、発症からの期間によって異なります。発症から2週間以内の比較的早い時期であれば、「鼻咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査または培養検査」が有効です。インフルエンザの検査のように、鼻の奥に細い綿棒を入れて粘液を採取し、そこに百日咳菌の遺伝子(PCR法)や、菌そのもの(培養法)が存在するかを調べます。しかし、大人の百日咳は、診断がつくまでに時間が経っていることが多いため、咳が始まってから2〜4週間以上が経過している場合は、主に「血液検査(抗体検査)」が行われます。これは、血液中に、百日咳菌に対する抗体(免疫の反応で作られるタンパク質)がどのくらい存在するかを調べる検査です。一回の採血だけでは診断が難しいため、通常は2〜4週間ほど間隔をあけて二回採血を行い、抗体価が有意に上昇していることを確認して、診断を確定させます(ペア血清診断)。これらの検査と並行して、胸部レントゲン検査で肺炎の合併がないかを確認したり、他の咳の原因(咳喘息やマイコプラズマ感染症など)を除外するための検査が行われることもあります。診断には少し時間がかかりますが、原因を特定することが、適切な治療への唯一の道です。