歯茎が腫れてぶよぶよしてくるのは、単に口の中だけの問題だと思っていませんか。実は、歯茎の健康状態は、私たちの体全体の免疫力と非常に密接に関わっています。口の中には何百種類もの細菌が常に存在していますが、普段は体の免疫システムがその活動をコントロールしているため、問題は起こりません。しかし、何らかの理由で免疫力が低下すると、このバランスが崩れ、普段はおとなしい細菌が活発化し、歯茎に炎症を引き起こすのです。例えば、仕事が忙しくて睡眠不足が続いたり、人間関係で強いストレスを感じたりすると、私たちの体の免疫力は著しく低下します。そんな時に、決まって歯茎が腫れたり、口内炎ができたりする経験を持つ人は少なくないでしょう。これは、全身の抵抗力が落ちたことで、口の中の細菌に付け入る隙を与えてしまった結果なのです。つまり、歯茎の腫れは、あなたの体が「疲れているよ」「少し休んで」と発しているサインとも言えます。また、食生活の乱れも免疫力の低下に直結します。ビタミンやミネラルが不足すると、粘膜の抵抗力が弱まったり、炎症を修復する能力が落ちたりします。特に、粘膜の健康を保つビタミンCやビタミンA、体の防御システムを正常に機能させる亜鉛などが不足すると、歯茎は細菌の攻撃に対して非常に無防備な状態になります。逆に、歯周病による慢性的な炎症が、全身の免疫システムに悪影響を及ぼすことも分かっています。歯茎の炎症が続くと、そこから炎症性物質が血液に乗って全身を巡ります。この状態は、体にとっては常にどこかで火事が起きているようなもので、免疫システムは常に緊張状態を強いられます。その結果、他の病気に対する抵抗力が落ちたり、糖尿病や動脈硬化といった全身の疾患を悪化させたりする一因となるのです。歯茎のぶよぶよとした腫れを改善し、再発を防ぐためには、丁寧な歯磨きで細菌の量をコントロールすることはもちろん、十分な睡眠と休養をとり、バランスの取れた食事を心がけ、ストレスを上手に管理するなど、体全体の免疫力を高める生活を送ることが何よりも大切です。口の健康は、体の健康とつながっているのです。