小さな子供の歯茎に口内炎を見つけると、親としてはとても心配になるものです。大人でさえ辛い痛みを、言葉でうまく伝えられない子供が感じているかと思うと、代わってあげたい気持ちになります。子供の口内炎は、大人と同様に物理的な刺激や栄養不足、ストレスなどが原因で起こることもありますが、特に注意したいのがウイルス感染によるものです。中でも代表的なのが「ヘルペス性口内炎」で、初めてヘルペスウイルスに感染した際に発症することが多く、歯茎の腫れや多数の小さな水ぶくれ、高熱を伴うのが特徴です。このような症状が見られた場合は、自己判断せず、速やかに小児科や歯科を受診することが重要です。ウイルス性の口内炎でなくても、子供は痛みのために食事や水分を摂るのを嫌がることがあります。脱水症状を防ぐためにも、水分補給はこまめに行いましょう。イオン飲料や麦茶など、刺激の少ない飲み物を少しずつ与えてください。食事は、子供が食べたがるものを優先しつつ、なるべく口内炎を刺激しない工夫をしてあげましょう。熱いものは冷まし、酸味や塩気の強いものは避けます。プリンやゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、冷たいスープなどは、喉越しが良く食べやすいのでおすすめです。栄養をつけさせようと無理強いするのは逆効果です。食べられるものを少しでも口にできれば良い、というくらいの気持ちで寄り添ってあげましょう。口腔ケアも大切ですが、痛がるのを無理に歯磨きする必要はありません。食後に水やお茶で口をゆすがせるだけでも、口の中を清潔に保つ助けになります。どうしても磨く場合は、柔らかい歯ブラシやガーゼを使い、患部に触れないように優しく行いましょう。何よりも大切なのは、子供の不安な気持ちを受け止め、安心させてあげることです。痛くて機嫌が悪くなっても、「痛いね、辛いね」と共感し、たくさん抱きしめてあげてください。親の優しい眼差しとケアが、子供にとって一番の薬になるはずです。