歯ぐずりの時期に大活躍してくれた歯固めですが、いつまでも使い続けて良いものなのか、卒業のタイミングはいつなのか、と疑問に思う保護者の方もいるでしょう。歯固めの卒業に、明確に「何歳まで」という決まりはありません。赤ちゃんの成長や歯の生え方、興味の対象の変化などを見ながら、その子に合ったタイミングを見極めてあげることが大切です。一つの大きな目安となるのが、「乳歯の生え具合」です。歯固めが最も必要とされるのは、歯が歯茎を破って出てくる際のむず痒さを感じている時期です。前歯が生えそろい、奥歯も生え始めてくると、歯茎のむず痒さも次第に落ち着いてきます。それに伴い、赤ちゃん自身が歯固めを噛みたがる頻度が減ってくることが多いです。以前はお気に入りだったのに、最近はあまり遊ばなくなったなと感じたら、それは卒業が近いサインかもしれません。また、赤ちゃんの「噛む力」が強くなってきた時も、卒業を考えるタイミングです。特に奥歯が生えてくると、噛む力は格段に強くなります。シリコンなどの柔らかい素材の歯固めを、強い力で噛みちぎってしまう可能性が出てくるのです。破損した歯固めの破片を誤飲する危険性を考えれば、噛みちぎる恐れが出てきた時点で、使用を中止するのが賢明です。製品の対象年齢を確認し、それを超えている場合も卒業を検討しましょう。さらに、赤ちゃんの「興味の対象」が、歯固めから他のおもちゃや遊びへと移っていくことも、自然な卒業のきっかけとなります。積み木や絵本など、より高度な遊びに夢中になるようになれば、口に物を入れて欲求を満たす段階から、次の発達段階へ進んだ証拠です。もし、赤ちゃんが歯固めを卒業しても、まだ何かを噛みたがる様子が見られる場合は、食事のメニューを工夫してみるのも良いでしょう。少し歯ごたえのある野菜スティックや、赤ちゃん用のおせんべいなどを与えることで、噛みたい欲求を満たしてあげることができます。歯固めは、赤ちゃんの成長の一時期を支えてくれる大切なパートナーです。その役目が終わったら、「よく頑張ったね」と感謝して、次のステップへと進んでいきましょう。