歯ぐずりが始まった我が子のために、安全性やデザインを吟味して、これぞという歯固めを用意したのに、赤ちゃんが全く興味を示してくれない。それどころか、渡した途端にポイッと投げ捨てられてしまう。そんな経験をして、がっかりしている保護者の方もいるかもしれません。しかし、赤ちゃんにも好みや個性があります。せっかく買った歯固めを使わないからといって、焦ったり、無理強いしたりする必要は全くありません。そんな時は、少し視点を変えて、いくつかの工夫を試してみてはいかがでしょうか。まず考えられるのは、その歯固めの「素材」や「形状」が、今の赤ちゃんの気分や好みに合っていない可能性です。もし、一つの歯固めしか試していないのであれば、全く違うタイプのものを試してみる価値はあります。例えば、シリコン製のものが駄目でも、木製の優しい口当たりなら気に入るかもしれません。ツルツルした感触が嫌いな子もいれば、凹凸のある刺激的な感触を好む子もいます。リング状、スティック状、キャラクターものなど、形状を変えてみるのも一つの手です。また、歯固めを「温度」で変化させてみるのも効果的な場合があります。多くのシリコン製歯固めは冷蔵庫で冷やすことができます。ひんやりとした感触が、ほてった歯茎には心地よく感じられ、今まで興味を示さなかった歯固めを急にカミカミし始めることもあります。ただし、冷凍庫で凍らせるのは、冷たすぎて赤ちゃんの唇や歯茎にくっついてしまう危険があるため、絶対にやめましょう。様々な歯固めを試しても駄目な場合は、無理に歯固めにこだわる必要はありません。清潔なガーゼを水で濡らして固く絞り、少し冷やしたものを噛ませてあげるだけでも、歯茎のむず痒さを和らげる効果があります。また、離乳食が始まっている赤ちゃんであれば、赤ちゃん用の歯固めせんべいや、スティック状に切った野菜(人参やきゅうりなど)を保護者の監督のもとで噛ませるのも良いでしょう。大切なのは、赤ちゃんが不快感を解消できること。その子の好みに合わせて、色々な選択肢の中から最適な方法を見つけてあげてください。