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健康な歯茎の色は美しいピンク色です
自分の歯茎の色を、鏡でじっくりと観察したことはありますか。多くの方は歯の白さや歯並びは気にしても、歯茎の色まで意識することは少ないかもしれません。しかし、歯茎は歯を支える土台であり、お口全体の健康状態を映し出す重要なバロメーターなのです。健康的な歯茎の色の基準は、一般的に「薄いピンク色」や「コーラルピンク」と表現されます。まるで美しいサンゴ礁のような、生命力にあふれた淡いピンク色が理想とされています。この色は、歯茎の内部にある毛細血管を流れる血液の色が、健康な粘膜を通してきれいに透けて見えている状態を示しています。また、色だけでなく、その質感も重要です。健康な歯茎は、キュッと引き締まっていて、歯と歯の間の部分がシャープな三角形をしています。ブヨブヨと腫れぼったい感じはなく、弾力があるのが特徴です。さらに、よく観察すると、表面にみかんの皮のような、細かいくぼみが見られることがあります。これは「スティップリング」と呼ばれ、歯茎の線維が歯の骨としっかりと結合している健康な証拠です。もちろん、歯茎の色には個人差があります。肌の色が人それぞれ違うように、もともとのメラニン色素の量によって、少し褐色がかった色味の方もいます。大切なのは、他人と比べることではなく、自分自身の普段の歯茎の色を把握しておくことです。日頃から自分の健康な状態を知っておけば、何か変化が起きたときにいち早く気づくことができます。例えば、いつもより赤みが強い、白っぽく見える、黒ずんできた、といった色の変化は、何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。歯磨きの際に、少しだけ時間をとって歯茎の色をチェックする習慣をつけてみましょう。それは、将来の大きな口のトラブルを防ぎ、健康な笑顔を維持するための、とても簡単で効果的な第一歩となるはずです。