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子供の歯茎が腫れてぶよぶよしている時
我が子の歯茎が赤く腫れて、ぶよぶよしているのを見つけると、親としてはとても心配になります。痛がっている様子があればなおさらです。子供の歯茎が腫れる原因はいくつか考えられ、中には成長過程で起こる自然な現象もありますが、注意が必要なケースも存在します。まず、乳歯が生えたり、永久歯に生え変わったりする時期には、歯が歯茎を押し上げて出てくるため、その周辺の歯茎が一時的に炎症を起こし、赤く腫れてぶよぶよすることがあります。これは「萌出性歯肉炎」と呼ばれ、歯が無事に生えきれば自然に治まることがほとんどなので、過度に心配する必要はありません。ただし、この時期は歯茎が敏感になっているため、食事の際に痛がったり、歯磨きを嫌がったりすることがあります。優しくケアしてあげることが大切です。一方で、注意が必要なのが、大人と同じように歯垢が原因で起こる「歯肉炎」です。子供はまだ手先が器用ではないため、自分だけでは上手に歯を磨くことができません。特に奥歯や歯と歯の間には磨き残しが多くなりがちです。そこに歯垢が溜まり続けると、細菌が原因で歯茎が炎症を起こし、赤く腫れてぶよぶよしてきます。この場合、保護者による仕上げ磨きが不可欠です。歯と歯茎の境目を意識して、優しく丁寧に磨いてあげましょう。歯肉炎は、正しいブラッシングで歯垢を除去すれば改善します。もし、歯茎の腫れに加えて、高熱が出たり、口の中にたくさんの小さな口内炎ができていたりする場合は、「ヘルペス性口内炎」の可能性があります。これはウイルス感染によるもので、子供は食事や水分を摂るのも辛くなることがあります。この症状が見られたら、自己判断せず、速やかに小児科や歯科を受診してください。子供の歯茎のぶよぶよとした腫れに気づいたら、まずは慌てずに口の中をよく観察しましょう。そして、それが生え変わりの一時的なものなのか、歯磨き不足によるものなのか、あるいは他の病気のサインなのかを見極めることが重要です。不安な場合は、迷わず専門家である歯科医師に相談することが、子供の健やかな口の成長を守るための最善策です。