-
歯茎の色が白っぽくなる意外な原因たち
歯茎が赤くなるのは歯肉炎のサインとしてよく知られていますが、逆に白っぽく見える場合はどうでしょうか。普段ピンク色のはずの歯茎が白くなっていると、何かの病気ではないかと心配になるかもしれません。実際に、歯茎が白っぽくなる背景には、いくつかの異なる原因が考えられます。まず、最も分かりやすい原因の一つが「口内炎」です。歯茎に白い膜が張ったような小さな円形ができていれば、それはアフタ性口内炎の可能性が高いでしょう。強い痛みを伴いますが、通常は一週間から二週間ほどで自然に治ります。また、体全体の健康状態が歯茎の色に影響することもあります。例えば、「貧血」の状態にあると、血液中のヘモグロビンが不足するため、血色が全体的に悪くなります。その結果、歯茎も血の気が引いたように白っぽく見えることがあります。立ちくらみや倦怠感といった他の症状も伴う場合は、内科での相談も検討すべきです。ストレスや疲労、栄養不足によって、一時的に血行が悪くなり、歯茎が白っぽく見えることもあります。過度なストレスは血管を収縮させ、血流を滞らせる原因となるのです。意外な原因としては、歯磨きの力が強すぎることによる「角化(かくか)」が挙げられます。硬い歯ブラシで毎日ゴシゴシと強く磨いていると、歯茎の粘膜が摩擦から身を守ろうとして、皮膚が硬くなるのと同じように分厚く、白っぽくなることがあります。これは「フリクションケラトーシス」とも呼ばれ、物理的な刺激が原因です。さらに注意が必要なのが、「白板症(はくばんしょう)」と呼ばれる病気です。これは、歯茎や頬の粘膜が部分的に白く、硬くなるもので、こすっても取れないのが特徴です。痛みがない場合も多いですが、ごく稀にがん化する可能性がある前がん病変とされています。もし、原因不明の白い部分が長期間消えない場合は、自己判断せずに必ず歯科医院を受診してください。このように、歯茎が白っぽくなる原因は様々です。一時的なものから注意が必要な病気のサインまで、幅広い可能性を秘めているのです。